「誠貴作(しげきさく)」- 3D三徳包丁
■サイズ:刃長165ミリ(全長295ミリ)
■重量:約141g
■仕様:刃…V金10号積層鋼(片側8層) ハマグリ刃仕上 両刃
柄…積層強化木(ダークブラウン)蝋引き仕上げ
■装丁:化粧箱入り
■製造:日本製 兵庫県三木市
福井県の伝統工芸士鍛冶職人の下で鍛錬を積んだ職人 田中誠貴さん手打ちの本鍛造包丁です。
洗練されたフォルム。
人間工学から生まれた美しい形状は、手に取る人々をうならせます。
『こんな感触は初めて……』と感動の境地にいざなうこの品は、産学という新しい物作りの発想から生まれました。
機能をデザインする。まさにそこから生まれた製品です。
作るのが大変……「3Dグリップ」
立体形状にできた3Dグリップ(意匠登録 第1411081号)はあらゆる角度で手にフィットしますので大変調理し易く、長時間の作業にも疲れません。
また、蝋(ロウ)引き仕上げですので深い光沢が出ています。
柄の材は耐水・腐食に強い積層強化木(コムプライト)。
積層強化木とは、圧力釜のなかで樹脂を染み込ませた木板を数十枚重ね、熱を加えながら圧縮成形した素材です。
非常に頑強で、水が染み込む余地がないほどの密度なので大変な耐水性をもち、紫檀のような風合いと手触りを持っています。
またこの柄があることで包丁全体に十分な重さが加わります。
この重さと刃の切れ味に、3Dグリップの握りやすさが相まって、とても軽い力で切ることができます。
包丁を握る時間を楽しいものに変えてくれる、素晴らしい製品です。
ハマグリ仕上げのV金10号積層鋼
刃は錆に強い高級ステンレス鋼『V金10号積層鋼(片側8層)』を両刃ハマグリ仕上げに。
鍛冶人の丹精な鍛接・鍛造により磨きのかかったすばらしい切れ味を長きにわたり楽しめます。
刃の側面がわずかに曲を描いていることで素材がくっつきにくく、深く食いこませやすいというハマグリ刃の長所を活かしながら、抜群の切れ味も保っています。
お肉や野菜はもちろん、鮮度が肝心なお魚の調理が早くなり、身もとてもきれいに仕上がる嬉しい切れ味。
まさに伝統技に、あらたなる息吹を注ぎ込んだ逸品です。
「V金10号鋼、積層鋼」とは
V金10号鋼とは、福井県の武生特殊鋼材株式会社さんが開発、製造している特殊なステンレス鋼です。
主に切れ味を左右する炭素、抗錆び・耐蝕性を付与するクロムなどの含有率によって、V金〇〇という名称で区別しています。
その中でもV金10号はクロム量と炭素量が高く、加えて熱処理している間に炭素がはがれてしまう(脱炭現象)のを防ぐコバルトを添加し、非常に高硬度な包丁を作ることができるため、最上の刃物鋼材と言われています。
そして積層鋼とは、古くはシリアのダマスカスで、インドの鉄鉱石を原料にして刃物を作った際、刃の表面に積層模様が浮かび上がったことから、ダマスカス鋼、ダマスク鋼と呼ばれています。
その積層模様を、硬度の高い芯材をもとに、ステンレスやニッケルを何重にも重ねて造り出したものがステンレス積層鋼です。
V金10号鋼と同様に、そのほとんどを武生特殊鋼材株式会社さんが開発・製造しています。
光り具合が非常に奥ゆかしく、美しいため、この積層鋼を用いた包丁はダマスカス包丁、最近ではミルフィーユ包丁などとも呼ばれ、精巧な品を好む日本の方はもちろんのこと、その刃の輝きが日本刀を連想させることから、フランスやドイツ、アメリカの方々にとても人気があります。
三徳包丁の用途
日本の家庭で一般的に使われている万能型の庖丁。
野菜・肉・魚を一本だけでこなすことができることから「三徳」と呼ばれています。
文化庖丁(ぶんかぼうちょう)とも呼ばれますが、これは時代の変遷の名残です。
明治維新の頃、海外の食文化の影響を受け、日本国内でも肉を食することが多くなったため、それまで主流だった菜切包丁の先だけを斜めに切り落とし、肉に刃が入りやすい洋包丁(牛刀包丁)の形に近づけたことから生まれたそうです。
繊細な作業からあら切りまでをこなすことができるため、ご家庭だけではなく、料理職人さんの中にも仕立てのよい三徳包丁をメインで使っていらっしゃる方もいます。
切れ味の鈍い包丁では、肉や魚の断面が荒く、ぼそぼその身から肉汁が逃げたり、お刺身の口当たりが悪くなるなど、料理全体の味に影響してしまいます。
今お使いの包丁に納得がいかないという方、料理の質を底上げしたい方は、どうぞ鍛冶屋さんの包丁の切れ味を一度お試し下さい。
三木の伝統金物技術と、プロ用手引きのこぎりの最新技術
兵庫県三木市の鍛冶屋さんたち × レザーソー工業株式会社
江戸時代の発祥より約400年の歴史をもつ、三木市の伝統鍛冶技術を受け継ぐ職人さんたちと、
1969年に日本ではじめての替え刃式のこぎりを世に送り出したレザーソー工業さん。
三木市の金物づくりの良さを広めたいという思いから2009年に合同事業" みきかじや村 "を発足して以来、
伝統工芸と工業の最新技術やアイディアを活かした、素晴らしい製品作りに日々邁進していらっしゃいます。
新旧の最高技術と、道具を使う人たちから直接聞きあつめた要望やアイディアを込めて送り出す製品たちは、
あるものはずっしりと無骨な覇気を放ち、あるものは秋先の叢雲にも似た積層が遠く青い光をたたえ、
またあるものはおしゃれなデザインを目指していないにも関わらず、高度に結実した機能がそう見せてしまうようなものまで。
ある機能に特化した姿は、季節を過たず咲く花、自重を超えるものを持ち上げる昆虫、大洋を渡る燕がそうあるように、奇妙に美しいのです。
ひとつの道具にひとつの魂を打ち込む、みきかじや村のものづくりを、どうぞご覧ください。
お確かめ頂きたいこととお願い
・刃の調整、研ぎ直しを有料(基本料金1200円前後)にてお受けしております。
損傷具合やご要望などによってお値段が変わりますので、説明書に記載されておりますみきかじや村の電話窓口、または当店へお気軽にお電話下さいませ。
往復送料についてはお客様のご負担とさせて頂いております。どうかご了承下さい。
・よく切れる刃物ですので、ご使用の際は安全に十分ご注意下さい。
・コジルと刃こぼれの恐れがございますので、ご注意下さい。
・安全のため、ご使用にならない間はサヤや刃先カバー等にお入れ下さい。
・すべての工程が職人による手作業のため、記載されているサイズとはわずかな誤差が生じる場合もございますが、
これも手作りの良さとお考え頂き、末永くお使い頂ければ心より幸いでございます。
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